こんにちは。九鬼家のダッシュ!!🏃‍♂️🏃‍♂️です。

前回までで、ステップ変数に関するブログを終えました🙋‍♂️

ストライド、ピッチのどちらが疾走速度に関係するのか??について議論しています

まだご覧でない方は、ぜひこちらからどうぞ🙇‍♂️

http://kukikenodash.blog.jp/archives/79601553.html

さて、今回のブログからは次のステージの話に移ります
🙋‍♂️


スライド1
今回からは、キネマティクスの話になります。

疾走動作に関する研究で、最も有名な論文の1つは

伊藤章, 市川博啓, 斉藤昌久, 佐川和則, 伊藤道郎, & 小林寛道. (1998). 100m 中間疾走局面における疾走動作と速度との関係. 体育学研究43(5-6), 260-273.

ではないかと思います。

東京世界陸上のバイオメカニクス班として、データ収集されるのに苦労されたと聞いています

とても貴重なデータで、当時の常識を覆すような内容でした👍

僕がはじめてこの論文を読んだのは、大学1年生の頃でした。

難しくもワクワクする気持ちで読んだのを今でもよく覚えています🙋‍♂️

この論文では、世界トップレベルの選手における疾走動作と疾走速度との関係を検討し、

「合理的な疾走動作とはなにか?」ということを検討しています。

いくつも興味深いデータはあるのですが、その中でも疾走中の膝の高さと疾走速度と検討しています🙋‍♂️

従来までは、「膝を高く上げる」ことがスプリント動作を指導する王道でした。

しかし、実際にデータを取ってみると膝を高く上げているからといって疾走速度が高いという訳ではないことが分かりました。

そうすると、「膝を高く上げなさい」という指導は、必ずしも万人に共通して重要なことではないと考えられます👍

また、その他に。

支持期中の膝関節と疾走速度との関係を検討したところ、

足が地面から離れる直前の膝関節の伸展速度は、疾走速度と負の相関関係にありました🙋‍♂️

これは、当時おこなわれていた「膝を足首を伸ばして、地面を最後までキックしなさい」という指導に対するアンチテーゼでした✋

これは僕も経験があるのですが、「もっと速く走ろう!」を思うとついつい末端に力が入ってしまって、合理的な疾走動作から離れてしまいます😅

僕は、あるコーチに、「全力の95%の努力で走る感覚を覚えなさい」と言われた事があります。

今考えると、この力感による末端での伸展を抑える狙いがあったのかなー。と思います

走り方ついて言及している一般書などには、つま先から頭までが一直線になっているのが合理的な動作(姿勢)だ、と書かれていたりしますが

この研究結果から考えると、それは重要ではなくむしろ曲がっている方がいいのでは?と考えられます。

角速度に関するデータで角度に関することを述べるのはいささか危険ではありますし、対象やサーフェイスが異なると、結果も変わる可能性が考えられます。

今回取り上げた論文には、理想的なキック動作のモデルも記されています🙋‍♂️

ぜひ興味のある人は読んでみてください👍

素晴らしい、スプリントの世界へ導かれることでしょう〜

次回をお楽しみに🙇‍♂️