こんにちは。九鬼家のダッシュ!!です。

前回は大学1年生の冬季練習について書きました。↓↓

http://kukikenodash.blog.jp/archives/78556119.html

今日は、2年生のシーズン前半のお話です。

帰国して1週間後。

織田記念を迎えます。

標準記録(当時:10秒45)を突破していませんでしたが、出場定員を満たさい場合の繰り上げ出場でレースに出場できることになりました。

2レーンだったので順位は気にせず、冬から取り組んでいることに集中してレースに臨みました。

スタートで飛び出すとどんどん前に進んでいきます。

「先頭で走れてるの?全然全力で走ってないのに?」

と思いながらゴールまで突き進んでいきます。

ついに高校2年生で出した記録を大きく更新して、約3年ぶりに自己新記録(10秒25)を更新しました。

ですが、このレースでもっと進化していたのが山縣選手でした。

ゴールした瞬間、会場のどよめきで速報タイマーを見ると山縣選手が10秒07を記録していたのです。



そして、表彰台を狙った決勝では走り急いで6位で終わります。

ですが、日本選手権の出場・自己新記録更新でやっと高校生の自分を超えられたと実感できた大会となりました。

広島で味わった感覚を確かなものにするために望んだ関東インカレ。

予選、準決勝と危なげなく通過していきますが、国立競技場の強い向かい風に苦戦しました。

迎えた決勝では、

「勝ちたい欲」と「進まない感覚」

で力を使った強引なスタートをしてしまい、飯塚選手に後半追い抜かれて2位で終わります。

この時、準決勝でも飯塚選手に同じような抜かれ方で敗れています。

奈良インターハイ時に思ったことと真逆の事が起こって、自分のレースができなかったことを悔みました。

翌週には4継で優勝。

その翌週には冬合宿で行った砂山に連れっていただき、坂下りで調整していきます。

そして、ロンドン五輪がかかった日本選手権。

初出場に加え、久しぶりに関西でレースに出場できることが嬉しくて。

ただそのテンションだけで大阪入り。

五輪選考には意識もいかず、決勝進出できたらいいや。くらいにしか思ってませんでした。

無知ってすごいなと今書きながら思っています…笑

予選当日。

レースは夜だったので午前中はホテルでゴロゴロしていたのですが、レースをイメージすると身体が熱くなりドキドキします。

レース前のアップではいつも先生からアドバイスをもらっていたのですが。

この日は「今日は直すところがないからそのまま走りなさい」とコメントをもらいます。

そして、雨が降りしきる予選。

「調子が良い時ほど8割の力で走る」ことをイメージしてスタート。

ゆっくり大きく動いているのに進む感覚を覚えながら10秒23の自己新記録。(当時の五輪B標準を突破)

緊張と興奮でダウンをしてもなかなか落ち着かずアイスマッサージをしてもらい実家に帰宅します。



決勝当日。

昨夜一本しか走っていないのに全身筋肉痛で目が覚めます。

親と散歩をしたり、ゆっくり準備しながら大阪に向かいます。

これは毎年の話なんですが.
日本選手権100m決勝はその日の最終種目になることが多くて、アップエリアでは基本的に8人しか練習をしていません。

試合会場から聞こえてくる歓声がこだまするくらい静かで独特の雰囲気の中、アップが進んでいきます。

アップの最中、先生からレース展開について.

「お前はスタートから飛び出せるが隣の江里口選手が20m以降で少し前に出る。前に出られても最後まで並ぶように走れれば最後に何かあるかもしれないな。」と言われます。

迎えた決勝。

夜の長居スタジアムに何万人という観客、緊張が最高潮に達します。

スタートで前に出て60m付近まで先頭で走りますが最後に前に出られて食らいつくようにゴール。

結果は10秒30で2着でした。

先生が言った通りの試合展開、結果になった試合になりました。



続く

九鬼巧