こんにちは。九鬼家のダッシュ!!です。

前回のブログから局面が変わり、接地直前のパウイング動作の話をしています。

http://kukikenodash.blog.jp/archives/78264700.html

今回のブログで紹介するのは、実際のパウイング動作がスプリントパフォーマンスと関係があるのか?
ということを検討した論文を紹介します。

紹介する論文は、Dr. Morinの研究チームが発表したものです。

Morin et al. (2015). Sprint acceleration mechanics: the major role of hamstrings in horizontal force production. Frontiers in physiology, 6, 404.

ちなみに。
Dr. Morinは現在のスプリントに関する研究のトップランナーの一人です(と私は思います)。

彼が行なった研究では、自走式のトレッドミルを用いて、全力疾走を行わせました。
そして、スプリント中に発揮した地面反力と疾走中の局面ごとの筋活動を測定しています。
同時に、膝の伸展・屈曲筋力も測定しました。

主に着目するのは、図の③と④の局面になります。
スライド1
この研究が優れている点の一つとして、実験に参加した被験者が挙げられます。
被験者のうち3名が、代表レベルという優れた競技レベルを有している選手です。
通常、トップレベルの選手を実験の被験者としてデータを取るのは難しいのです。

色々な分析を行なっているのですが。
主な結論は、重回帰分析から得られた結果をもとに示されています。

それは、
「In conclusion, subjects who produced the greatest amount of horizontal force were both able to highly activate their hamstring muscles just before ground contact and present high eccentric hamstring peak torque capability.」(本文より引用)



水平方向に大きな力を発揮した被験者は、接地直前でのハムストリングスのより高い活動と膝関節のエキセントリックなピークトルクが高いという特徴が見られた

ということが言えます。

本文中でのpawingの重要性を述べられています。

興味がある方は、ぜひDr. Morinの論文をご覧ください。素晴らしい研究です。

次回は、具体的にこのパウイング動作を学習させるためのトレーニング例について紹介したいと思います。

お楽しみに。